2016/08/01

わたしが中学生の時、バスケットボール部に入っていた。
そのとき、1学年上と、2学年上(姉のクラスメート)のF姉妹が、同じバスケットボール部で活躍していた。
とても爽やかで、かんじの良い先輩で、大好きだった。
ある日、彼女たちの母親に、わたしの母が、「なんとか費」という、ちゃんとした名目で(名目、忘れました)、
すぐに返却するということで頼まれ、お金をお貸しすることになった。
当時のお金で20万円、けっこうな額だ。(半世紀近く前)
F姉妹のお母さんは、いつも、スーツをびしっと着て、胸には真珠のブローチをつけていた。
学校行事でしかお見かけしないので、家の近所のスーパーに行く時は、そんな格好はしないだろうけれど。
なにしろ、そういう服装で、恰幅のいい、がっちりした体格だった。
目のくりくり動く、表情の豊かな人、
当然、口もよくまわる。
行動派で、学校関連の役も、おそらく引き受けておられたのではないだろうか。
が、Fさんは、母にお金を返さなかった。
何度、請求しても返さなかった。
母もしつこく要請しただろうけれど、相手のほうが、大物で、根負けしてあきらめたようだ。
そこで、わたしは知った。
どんなに子供が素晴らしくても、親も素晴らしいとは限らないのだと。
F姉妹は、あっさり、さばさばしたタイプで、まっすぐ(見かけはそう見えた・・・)で、
素敵な姉妹だったが、自分たちの母親のそんな現状を知らない。
わたしは、知っていたが、F姉妹に告げることもなく、とても複雑な心境だった。
で、中学生の時に悟った。
見かけ、身なり、口・・・こういうものは、信用できない。
子供が立派でも、信用できない。
おそらくF姉妹は、そのまま、すくすくと育ったと思うが・・・。
わたしは、すくすくと育たず、あっちで、ごっつん、こっちで、ごっつん。
世の中の断片をいろいろ見た。
この話は、姉とわたししか、知らない。
世の中の誰にも言っていないので、F姉妹は、傷つくこともなく、美しい心のまま成長されたことだろう。